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「羊水過多症」の原因と初期症状および治療法

羊水過多症とは?

羊水過多症は羊水量が800mLを超える場合と定義していますが、膨満感などの、何らかの自覚症状がある場合にも羊水過多症として診断する場合があります。
これは、妊娠後期の通常の羊水量は200~600mLですが、羊水の量には個人差があり、人によって量が大きく違うことがあるためです。
なお、200~600mLの範囲であれば羊水量に関しては問題ありません。
※無症状の場合もあり、検査を受けて羊水過多と診断される場合もあります。

原因は?

羊水の生産過剰、吸収低下が主な要因です。
これらの発生因子は母体側や胎盤側、胎児側など多岐にわたりますが、その内の60%は妊娠8ヶ月頃に原因不明(突発性)で発症します。

以下は突発性以外の主な因子です。

母体因子

  • 糖尿病
  • 血液型不適合

胎盤因子

  • 胎盤血管腫
  • 巨大胎盤

胎児因子

  • 中枢神経奇形(無脳症、二分脊椎、髄膜瘤、水頭症)
  • 腹壁の異常(臍帯ヘルニア、腹壁破裂)
  • 多胎(双胎間輸血症候群(TTTS))
  • 腎、内分泌疾患(抗利尿ホルモン分泌不全(尿崩症)、Bartter症候群)
  • 肋骨格系異常(先天性強直性ジストロフィー、筋無力症、致死性小人症、小顎症)
  • 染色体異常(トリソミー(パトウ症候群、エドワーズ症候群、ダウン症候群))
  • 消化管閉鎖(食道閉鎖、十二指腸閉鎖、輪状膵(りんじょうすい))
  • 胸郭、縦隔腫瘍(横隔膜ヘルニア、先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM))
  • 心疾患(心室中隔欠損(VSD))
  • 胎児水腫(免疫性、非免疫性)
  • 仙骨奇形腫
  • 先天性奇形症(TORCH(トーチ)症候群)

初期症状は?

腹部が張った感じになる膨満感が現れ、増量した羊水が肺を圧迫することで呼吸困難を引き起こす場合もあります。

妊娠期においては、羊水の波動感があり胎児のエコー写真が不鮮明になります。
また、腹部緊満感や季肋部痛、呼吸困難、悪心、嘔吐、外陰部や下肢の浮腫(腫れ)が見られる場合があります。

出産や胎児へのリスクは?

胎児

羊水過多症の20%の胎児に先天性の奇形があるとされ、周産期における胎児死亡率は通常時の20倍とされています。

母体

合併症として切迫早産前期破水常位胎盤早期剥離臍帯脱出微弱陣痛、遷延分娩、弛緩出血が挙げられます。
妊娠初期(妊娠第一期)では流産を起こすことが多く、妊娠後期(末期)では、早産、前期破水、臍帯・四肢脱出、弛緩出血を起こす可能性があります。
分娩時には、微弱陣痛や遷延分娩になりやすく、胎盤の早期剥離により急激な子宮収縮が引き起こされる事があります。
また、大量破水や、分娩後の子宮収縮不全による、弛緩出血による大量出血のリスクがあります。
このため輸血などの、弛緩出血に対する事前の準備が行われます。

検査方法は?

経腹超音波検査で調べます。
最大羊水ポケットが8cm以上であるか、羊水インデックス(AFI)が20cm以上の場合に羊水過多と診断されます。

羊水ポケットとは?

羊水ポケットは羊水腔の隙間を意味します。
測定は、胎児を観察するための「経腟プローブ」ではなく、おなかの上から測定できる「経腹プローブ」を使用した経腹超音波検査で、子宮腔内で最も深い羊水スペースの大きさ(cm)を測り、これを最大羊水ポケットとします。

羊水インデックス(羊水指数)とは?

子宮を腹壁体表面上で4分割し、経腹プローブを妊婦の長軸方向で床に対して垂直にあて、それぞれの羊水腔の最大深度(cm)を測定し、その4つの最大深度の総和を羊水指数とします。
一般的に5.0cm以下を羊水過少、20.0cm以上を羊水過多と診断します。

治療方法は?

疾患の原因が分かっていればその疾患を治療しますが、多くの場合は原因は不明であり、基本的には入院安静となり、子宮収縮抑制薬を使用して切迫流産と同様に早産や前期破水を抑止します。
なお、破水や感染、出血のリスクがあるため、重症例の場合にのみ羊水除去が行われます。

公開日時:2016-04-03 17:54:06

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