ノンストレステストの結果にも影響する胎児の睡眠サイクルとは? ​

胎児の睡眠サイクル

赤ちゃんは子宮の中で覚醒と睡眠を繰り返していますが、成長と共に中枢神経系(CNS)が発達し、妊娠30週以降ではそのサイクルは約20分とほぼ一定の間隔となります。
ノンストレステスト(NST)で胎児心拍数を40分間測定するのはこのためです。
40分間測定すれば、睡眠サイクル上、睡眠時と覚醒時の両方の心拍数を測定する事ができます。

そのためお腹を蹴っていた赤ちゃんも、少なくとも20分後には眠りにつき静かになるはずです。

レム睡眠とノンレム睡眠

また睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠があります。
レム睡眠は浅い眠りを意味し、脳や眼球が活発に働いている状態であり、夢を見ている時でもあります。
一方でノンレム睡眠は深い眠りを意味し、胎児が熟睡している状態です。
ノンストレステストでは、レム睡眠時はreactive(反応性)、ノンレム睡眠時はnonreactive(無反応)の結果を示します。

体内時計

この胎児の睡眠のサイクルが真っ暗闇の子宮内でも規則正しく働くのは、睡眠サイクルの基となる体内時計が視覚などの外界に影響されずに機能することを物語っています。

但しこの体内時計は強いストレスを受けると乱れてしまう事があります。
長時間労働や極度の緊張状態が続くなどの高ストレス下で不眠症になるのはこのためです。

ノンストレステスト

胎児の場合、ノンストレステストで異常が検出されたとしても睡眠サイクルの問題の可能性があり、偽陽性の確率が非常に高い(約80%)事が知られています。
ノンストレステストが赤ちゃんが元気である事を診断する検査であり、赤ちゃんの異常を診断する検査ではないと言われるのはこのためです。

一方で胎盤機能不全など母体側の何らかの疾患により胎児に十分な酸素が供給できず、実際に胎児が健康な状態ではない可能性もあります。

その場合、再検査を実施して睡眠サイクルの乱れによるものか、胎児機能不全であるかを鑑別する必要があります。

公開日時:2019-02-23 13:04:25

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