妊娠28週~31週(妊娠8ヶ月目)の胎児の成長

「驚き反射」、「吸い付き反射」の始まる時期

妊娠28週(胎齢26週)

妊娠28週以降は妊娠第三期(妊娠後期)と呼びます。

この頃の赤ちゃんは90%の時間を寝て過ごすようになります。
「驚き反射」(モロー反射)が起こるようになります。
驚き反射はオーストリアのエルンスト・モローにより発見されました。
通常、妊娠34週には完全に現れ、それは生後4~5ヶ月頃までのすべての幼児/新生児で見られます。
もし、その時期に驚き反射が見られない場合、深刻な障害が発生している可能性があります。

「吸い付き反射」も起こります。
親指に吸い付き、お乳を飲む練習をするためです。
吸い付く指で右利き、左利きが分かります。

この頃は母親のおなかに耳を当てると胎児の心音が聞こえるようになります。
胎児の心拍数は母親のおよそ2倍です。

母親の心拍数と血圧の上昇は胎盤を通じて赤ちゃんに直接影響を与え、少し遅れて赤ちゃんの心拍数も上がり始めます。
そのため母親のストレスは低体重児や早期出産、胎児への心臓病や糖尿病、精神への障害が発生する可能性があります。

赤ちゃんのしゃっくりも始まります。
しかし胎児の肺には空気がないので音はしません。

最後に形成される器官は肺です。
胎児が子宮にいる間、肺は羊水に満たされていますが小さな肺胞はずっと閉じられたままです。
赤ちゃんは肺と横隔膜を使って呼吸の訓練をしています。

妊娠29週(胎齢27週)

胎児は身長26.9cm、体重1315gくらいです。
この頃にはそれまで閉じられていた赤ちゃんの目が開きます。
また、髪の毛が伸びてきます。

妊娠30週(胎齢28週)

胎児は身長27cm、体重1500gくらいです。
赤ちゃんは着々と体重を増やしています。
胎児は子宮の中で頭を下にして誕生の時に備えています。
母親はこの変化をあばらに受ける赤ちゃんの激しいキックで認識します。

この頃に聴かせた音楽は赤ちゃんは覚えていて、生まれた後に聴かせると、泣き止んだりします。

子宮の位置はちょうどおへその7cm上辺りになります。
この時期に早産で生まれた赤ちゃんは、合併症の危険もありますが約90%が生存できます。

妊娠31週(胎齢29週)

胎児の身長は27.9cm、体重1678gです。
この頃には足の爪が現れます。
また、それまで子宮の中で宙返りをしていた胎児も、子宮が段々窮屈になってくると同時に宙返りができなくなり、頭を下にするようになります。
それと併せて赤ちゃんのキックやパンチが増え、母親はそのたびに痛みを感じるようになります。

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