妊娠8週~11週(妊娠3ヶ月目)の胎児の成長
胎芽から胎児への進化の開始
妊娠8週(胎齢6週)
この週は多くの変化が起こります。
胎芽は1.8~2cmくらい(クルミの殻くらい)の大きさになり、まぶたのない目が形成されます。
胚尾はなくなり、そしてすべての器官、筋肉と神経は機能し始めています。
足からは水かきが無くなり始め、肘やつま先が見えるようになります。
妊娠9週(胎齢7週)
胎芽は3cmくらいの大きさになります。
まぶたが形成され始め、顔には人間の特徴が現れてきます。
また、外耳が最終的な形に形成されていきます。
妊娠10週(胎齢8週)
受精後9週目(妊娠10週、胎齢8週)以降は胎芽ではなく、胎児と呼びます。
胎児は5cm程度で小さなイチゴくらいの大きさですが、もう人間の形になってきています。
体重は8.5gくらいです。
また、胎児にはこれまでの卵黄嚢ではなく、胎盤から栄養が供給され始めるようになります。
卵黄嚢は胎生2週目頃に形成される栄養袋のようなもので、約2ヶ月で完全に役目を終え、胎児への栄養供給器官は胎盤に代わります。
母親の食べた栄養がへその緒を通り胎児の動脈に入ります。
また、胎児に必要ないものや胎児に有害なものは胎盤に吸いだされ母親の循環血液に放出されます。
つわりも始まります。
つわりはホルモンの急激な変化が引き起こします。
母親はそれまで好きだった食べものを避け、子供に必要なものを欲しいと思うようになります。
そのため、食べ物の好き嫌いが大きく変わります。
また、プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され卵子の放出を抑制するため、生理も止まります。
プロゲステロンは基礎体温を上昇、妊娠の維持作用、乳腺の発育作用、免疫系が胎児を異物として拒絶しないようにする作用を起こします。
妊娠11週(胎齢9週)
赤ちゃんの身長は6cm、体重は14.2gくらいになります。
この頃になると胎児は人間と分かるようになり、刺激に反応して全身がぴくぴく動き出します。
胎児の動きは筋肉の成長と関節の強化に重要です。
しかしまだ脳によるコントロールはなく、筋肉の動きは無意識な反射の動きです。
また初期の手の爪が形成され始めます。
心臓の鼓動は毎分157回になります。
これを頂点にして心拍数は減少して行きます。