「子宮破裂」とは?帝王切開歴のある方や多産婦に前触れなく起きる?

カテゴリ:出産の基礎知識
タグ:産道異常

子宮破裂とは?

分娩時や妊娠中に子宮体部や子宮下部の筋層が断裂する裂傷です。

原因は?

帝王切開や子宮筋腫核出術の経験がある人は、子宮筋層の創傷ができた部分が陣痛の圧力によって破裂する可能性が高くなります。
これを瘢痕部子宮破裂(はんこんぶしきゅうはれつ)といいます。

瘢痕部子宮破裂ではない場合を非瘢痕性子宮破裂(ひはんこんせいしきゅうはれつ)といいますが、多産婦に多く、切迫子宮破裂等の症状もなく突然起こります。
また、児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)、骨盤内腫瘍、軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)、交通事故や骨盤位娩出術、鉗子分娩、吸引分娩などにより引き起こされます。

初期症状は?

性器出血を伴う、苦悶するような激しい腹部の痛みが突然起こります。
周りの人から見ても尋常ではない痛み方で、ただならぬ事が起きていることが分かります。

出産や胎児へのリスクは?

大量出血により、母体の出血性ショックのリスクがあります。
また、大量出血による母体死亡や、裂傷部分から胎児が子宮外に出てしまうことで胎児が死亡するリスクもあります。

発生する確率は?

母体死亡率は2~ 5%、胎児死亡率は20~80%です。

治療方法は?

子宮収縮抑制剤の投与で陣痛を抑制した上で、直ちに帝王切開で胎児を娩出します。
同時に止血のために子宮破裂部の縫合を行います。
止血が不可能な場合は、子宮摘出を行います。
母児救命のため、胎児の娩出と母体の止血という2つの事を当時に実施する必要があります。

なお、子宮破裂は産科ショックの分類としては妊娠末期の出血性ショックに分類され、顔面蒼白、四肢の冷感、頻脈、冷汗などを呈し、次に呼吸不全、チアノーゼ、血圧低下、末梢血管虚脱と症状が現れますが、これらがすべて生じてからでは手遅れとなるため、どれか1つでも症状が認められれば産科ショックのフローに沿って処置が行われます。
また、ショックインデックス(SI = 心拍数 / 収縮期血圧)が1.5以上の場合、直ちに輸血も行われます。

公開日時:2016年03月18日 12時06分

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