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「出生前診断」の種類と分かる疾患および流産のリスク

カテゴリ:出産の基礎知識
タグ:出生前診断

出生前診断とは?

出生前診断は遺伝学的あるいは画像診断学的な手法を用いて胎児にある疾患を明らかにすることです。
出生前遺伝学的検査では、以下のように確定診断を目的とする検査非確定的な検査の2つに区分されます。
遺伝学区的検査手法として、染色体を調べる細胞遺伝学的分析、分子遺伝学的解析、間接的遺伝子検査、生化学的解説の4腫があります。

確定診断を目的とする検査

羊水検査

羊水検査は妊婦の腹部から羊水を採取し、培養を行って羊水中の胎児細胞を増やし、その培養した胎児細胞を基に検査を実施する方法です。
具体的には、羊水中に浮遊する胎児から落ちた細胞を含む羊水20mLをお腹に注射器を刺して採取し、染色体分析や成果化学分析が可能な数まで培養します。
単一試料で多くの疾患の検査が可能ですが、培養のために検査結果が出るまでに時間(培養2週間、検査1週間の計3週間)がかかります。

分かる疾患

  • 染色体異常
  • 遺伝性疾患
  • 肺成熟
  • 中枢神経異常
  • 腹壁異常

実施可能期間

妊娠15週以降

流産率(早産率)

0.1~0.3%

絨毛検査

絨毛検査は妊婦の腹部にカテーテルを挿入する(経腹的採取)か、あるいは腟(経腟的採取)から採取した胎盤絨毛を用いた検査です。
具体的には、絨毛細胞15~30mgを経腹あるいは経腟で採取し、培養せずに(DNAが豊富に抽出できるため)検査を行います。
羊水検査のように培養が必要ないため迅速な検査(約1週間)が可能ですが、手技が困難であるため羊水検査に比べて流産率が高いというデメリットがあります。

分かる疾患

  • 染色体異常
  • 遺伝性疾患

実施可能期間

妊娠9~11週
※なお、経腹的採取の場合は、胎盤が腹壁から採取できる位置にあれば12週以降でも可能です。

流産率(早産率)

1~2%

臍帯血検査

臍帯血検査は超音波画像を頼りに、妊婦の腹部から臍帯部分に注射器を刺し、胎児血を採取して検査を行う方法です。
DNA解析ではなく、血清の解析による検査となり、遺伝学的異変や血液疾患、胎児感染の診断が行なえます。
結果が出るまでに1~5日程度かかります。

分かる疾患

  • 血色素異常症
  • 血液凝固異常症
  • 先天性免疫異常症
  • 染色体異常
  • 胎児感染症(風疹、トキソプラズマ症)

実施可能期間

妊娠19週~妊娠末期

流産率(早産率)

2~5%

母体血胎児染色体検査(NIPT)

2013年4月から新たに導入された検査方法で、母体血による非侵襲的出生前遺伝学的検査です。
妊婦の血液20mLを採取し、胎児染色体(13番、18番、21番)の数的異常(トリソミー)を診断できます。
特に陰性的中率は99.9%にも上り、ほぼ確実にダウン症候群などのトリソミーでは無いことが診断できます。
その半面、比較的簡単に検査が行えるため、妊婦が十分な知識を持たずに検査を実施できることや、胎児選別などの倫理面が懸念されています。
また、NIPTは陰性的中率が高いとは言え、確定診断ではないため、検査結果を妊婦がどう捉えればいいのか等の課題もあります。
費用は一般的に20万円前後かかり、実施している医療機関もまだ比較的少ない状況です。
検査結果は約2週間後に出ます。

分かる疾患

  • 13トリソミー(パトー症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 21トリソミー(ダウン症候群)

実施可能期間

妊娠10~18週

流産率(早産率)

非侵襲的(体を傷つけない)な検査であるため検査による流産のリスクはありません。

非確定的な検査

母体血清マーカー検査

母体の静脈血を7~10mL採取し、母体血清中のAFP、hCG、uE3、インヒビンAを検査します。
検査後3日~1週間程度で結果が出ます。
但し、偽陽性と偽陰性の場合があり、確実な診断はできません。

分かる疾患

  • 染色体異常(21トリソミー、18トリソミー)
  • 神経管閉鎖障害

実施可能期間

妊娠15~17週
※但し前提として、妊娠週数の正確な判定が必要です。

流産率(早産率)

非侵襲的な検査であるため検査による流産のリスクはありません。

超音波検査

超音波検査による検査となり、経腹超音波検査と経腟超音波検査があります。
なお、第1次超音波検査はスクリーニングとして実施され、3D超音波検査は診断目的の検査となります。
医師がその場で、即時的に確認できるのが特徴です。

分かる疾患

  • 遺伝性疾患
  • 先天奇形

実施可能期間

妊娠4週~妊娠末期

流産率(早産率)

非侵襲的な検査であるため検査による流産のリスクはありません。

出生前診断のリスクは?

比較的リスクが高いのは、臍帯血検査2~5%(100人に5人)と絨毛検査1~2%(100人に2人)、次いで羊水検査です。
羊水検査であっても検査に起因する流産率は0.1~0.3%程度あり、1000人に3人(333人に1人)は流産する事になります。

遺伝子情報の取り扱い

遺伝子情報が比較的簡単に取得できるようになると、その扱いや管理にも慎重さが求められます。
2003年にユネスコで採択された「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」において、ヒト遺伝子情報は医療、研究、法的手続きなどに限り用いられるべきであると述べています。
また、日本においては2005年4月から施行された個人情報の保護に関する法律(個人症状保護法)に伴い作成されたガイドライン「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(厚生労働省)おいて、上述したユネスコの国際宣言の内容も盛り込まれています。
10.遺伝情報を診療に活用する場合の取扱い
遺伝学的検査等により得られた遺伝情報については、本人の遺伝子・染色体の変化に基づく体質、疾病の発症等に関する情報が含まれるほか、その血縁者に関わる情報でもあり、その情報は生涯変化しないものであることから、これが漏えいした場合には、本人及び血縁者が被る被害及び苦痛は大きなものとなるおそれがある。
したがって、遺伝学的検査等により得られた遺伝情報の取扱いについては、UNESCO 国際宣言等(別表6参照)、別表5に掲げる指針及び関係団体等が定める指針を参考とし、特に留意する必要がある。
これは日本でも遺伝子情報も個人情報の1つとして、厳重な管理の元、扱われるべきであるという方向に進んでいる事を示します。

公開日時:2017-09-10 09:57:45

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