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「前置胎盤」の原因と初期症状および治療法

カテゴリ:出産の基礎知識
タグ:胎盤異常

前置胎盤とは?

前置胎盤は胎盤が内子宮口を覆い塞ぐ症状で、胎盤の剥離後に自然止血されにくい位置であるため、大量出血につながる恐れがあります。

前置胎盤の種類

胎盤下縁が子宮口縁に達しているものを「辺縁前置胎盤」、内子宮口を一部覆っている状態を「部分前置胎盤」、内子宮口を完全に覆っている状態を「全前置胎盤」と呼び、後者ほど症状が重い状態です。

原因は?

胎盤が子宮下部に付着する、胎盤の付着位置の異常ですが、根本原因は不明です。
要因として挙げられるのは、高齢妊娠や多産、帝王切開歴、人工妊娠中絶歴、多胎妊娠などです。

初期症状は?

妊娠早期から妊娠中期に「警告出血」と言われる性器からの少量の無痛の不正出血が断続的に続きます。
そして、子宮の軟化や収縮が始まる妊娠34週頃から出血量がどんどん増していき、大量出血に至ります。

出産や胎児へのリスクは?

母体

出産後は胎盤が子宮頸管付近に付着しているために、子宮から剥がれ落ちた胎盤剥離部分からの出血に対して、通常の子宮収縮時の自然止血が行われず、帝王切開後に胎盤剥離部分が正常に収縮せず、大量出血に繋がる恐れがあります。
そのため、癒着胎盤と同様に後産に最も注意が必要です。

また、癒着胎盤と合併している場合など止血が困難であり、大量出血のリスク(出血性ショック)が高いと判断される場合は、子宮全摘出になる場合もあります。
なお、前置胎盤は母体死亡原因の15%程度を占めます。

胎児

妊娠34週以降は子宮収縮に伴い胎児死亡率が急に高くなります。

発生する確率は?

発生頻度は全分娩の0.5~1.0%程度です。

検査方法は?

経腟超音波検査による胎盤位置の確認によって診断します。
なお妊娠早期では子宮下部の伸展のために胎盤の移動があるため偽陽性の診断の確率が高くなります。

確定診断が下される時期

確定診断が下されるのは胎盤の位置が定まる妊娠30週頃です。
実際には妊娠初期に全前置胎盤と診断されても胎盤の成熟と共に胎盤が徐々に上がっていき、部分前置胎盤や正常な位置に移動し前置胎盤自体が無くなる場合も意外と多いようです。
そのため確定診断が下される30週頃までは分かりません。
正常な位置に移動すればもちろん経腟分娩が可能です。

治療方法は?

前置胎盤でも出血がない場合は外来通院ですが、出血がある場合はすぐに入院が必要になります。
また、無症状であっても妊娠30週頃からは管理入院を行います。
妊娠継続のために、子宮収縮や子宮頸管の開大による性器出血を抑止するために、必要に応じて子宮収縮抑制薬の投与を行います。
分娩は帝王切開になりますが、分娩時の大量出血を避けるために妊娠37週末までに行います。

まとめ

まとめると以下のとおりです。
  • 経腟超音波検査で前置胎盤が認められ、性器出血があれば即入院、出血がなくても妊娠30週頃には入院が必要。
  • 妊娠30週までは確定診断はできず、正常な位置に移動する事もあり、偽陽性の場合も多い。
  • 分娩については、妊娠37週までに帝王切開で行う。
  • 癒着胎盤と合併している場合は、場合によっては子宮全摘出の可能性もある。

公開日時:2015-12-06 22:42:52

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