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「多胎妊娠」(双子)の原因と初期症状および母児へのリスク

カテゴリ:妊娠の基礎知識
タグ:胎児異常

多胎妊娠とは?

多胎妊娠は子宮内に複数の胎児が存在する状態を言いますが、多胎児の内、約98%は双胎(双子)です。
多胎妊娠は近年の不妊治療(体外受精)の影響で増加傾向にあります。

多胎妊娠の呼び方

2児の場合は双胎、3児の場合は三胎あるいは品胎、4児の場合は四胎あるいは要胎と呼びます。
また、5児の場合は五胎あるいは周胎と呼びます。
まとめると以下のとおりです。
胎児数呼び方1呼び方2英語
2児双胎---twins
3児三胎品胎(ひんたい)triplets
4児四胎要胎(ようたい)quadruplets
5児五胎周胎(しゅうたい)quintuplets

多胎妊娠の分娩

双胎妊娠では約45%が両児ともに頭位です。
この場合は通常経腟分娩が行われますが、近年はリスクを考慮して帝王切開を実施する場合も増えているようです。
「頭位と頭位」以外の組み合わせ(「頭位と骨盤位」、「頭位と横位」、「両児とも骨盤位」)の場合や三胎以上の多胎妊娠の場合は帝王切開術が行われます。

原因は?

双子の場合は、由来する妊卵(胚)により、一卵性(一卵性双胎)二卵性(二卵性双胎)に分けられます。

一卵性双胎

一卵性は簡単に言うと、1つの受精卵が2つに分離することで双子になります。
受精卵は接合子とも呼ばれ、2細胞期接合子以降の、どの段階で分離するかにより、呼び方が異なります。
二絨毛膜性双胎よりも、胎盤を共有する一絨毛膜性双胎の方がリスクが高くなります。

二絨毛膜二羊膜性双胎

受精後3日以内に接合子が分離した場合です。
これは胚盤胞の前段階までの分離を意味します。
別々の胎盤を持つことが特徴です。
一卵性双胎の約25%を占めます。

一絨毛膜二羊膜性双胎

受精後4~7日に内細胞塊が分離した場合です。
これは初期の胚盤胞期における同一の胚盤胞腔内での内細胞塊の分離を意味します。
共通の胎盤を持つことが特徴です。
一卵性双胎の約70%を占めます。

一絨毛膜一羊膜性双胎

受精後8~12日に分離した場合です。
これは原始線条の出現する直前の二層性胚盤の時期の分離を意味します。
共通の胎盤、共通の羊膜腔を持つことが特徴です。
一卵性双胎の約1%を占めます。

二卵性双胎

二卵性は一度に2つの卵子が排卵されることで、2つの受精卵ができる(それぞれの卵子が1つの精子と受精)ことで起こります。
このため、必ず二絨毛膜二羊膜性双胎になります。

初期症状は?

明確な初期症状はありません。
一般的には超音波検査で判明します。
妊娠12週頃になると子宮の大きさは単胎妊娠よりも大きくなり、経産婦の場合は、明らかに違いが分かるようになります。

出産や胎児へのリスクは?

多胎児の死亡率は単胎児の約2倍、周産期死亡率は単胎児の6~7倍、乳児死亡率は約5倍になります。
また、極低出生体重児の約25%を多胎児が占めています。
多胎妊娠では主に次の合併症のリスクがあります。

切迫早産・早産

子宮の過剰伸展に伴い、早産率は80%になります。
平均分娩週数は双胎の場合、妊娠35週前後、三胎の場合は妊娠33週前後です。
平均出生体重は2200~2400gくらいで2500gに満たない事が多いですが、2500g未満であっても問題はありません。
多胎妊娠では切迫早産のリスクを考慮した管理体制が必要です。

妊婦糖尿病

胚盤重量が重くなることで、インスリン抵抗値が高まり、母体の血糖値が上昇しやすく、特に妊娠中期以降に耐糖能異常が起こるリスクが高くなります。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

虚血性変化がさまざまな物質を母体血液に流入されることで、血管内皮機能障害を引き起こし、妊娠高血圧症候群が発生し易い状態になります。

妊娠性貧血

単胎妊娠に比べて胎児に供給する鉄やビタミンなどの栄養素が多くなるため、貧血になりやすくなります。

双胎一児死亡

一絨毛膜性双胎では、胎盤を共有しているため、一方の胎児が死亡した場合、もう片方の胎児にも影響が及ぶ可能性が高くなります。
一般的に一方の胎児が子宮内胎児死亡を生じた場合、他方の胎児も後遺症や胎児死亡など予後不良となります。
これに対して、二絨毛膜二羊膜性双胎は胎盤が別々なので、一方の胎児が死亡しても、他方の胎児に影響を与えることは殆どありません。

双胎間輸血症候群(一絨毛膜性双胎のみ)

上述したように、一絨毛膜性双胎は1つの胎盤を共有するため、胎盤上で両胎児の臍帯血管に吻合(ふんごう、繋がっていることです)が生じ、両胎児の循環血液の不均衡から羊水量の不均衡を生じる可能性があります。
臍帯血管の吻合により血液が流れ込む側の胎児を受血児と呼び、血液を供給する側の胎児を供血児と呼びます。
受血児は循環血液の増加により羊水過多や胎児水腫が起きやすく、逆に供血児は循環血液の減少により羊水過少や胎児発育不全を起こす可能性があります。
双胎間輸血症候群の周産期死亡率は約70%と高く、予後不良となる疾患です。
治療方法としては羊水吸引除去術、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術があります。

発生する確率は?

一卵性双胎は1000出生あたり3~4人です。
二卵性双胎では1000出生あたり7~11人です。
一卵性双胎の頻度は変化がないのに対し、二卵性双胎は妊婦の高齢化に伴い増加傾向にあります。

予防方法は?

多胎妊娠の予防方法はありません。

検査方法は?

超音波検査で診断します。
なお、羊膜腔が2つある場合、膜性診断が重要になり、これは妊娠初期に実施する必要があります。
また、一絨毛膜一羊膜性双胎の場合は、1つの胎嚢内に2つの羊膜腔、胎児心拍の存在、あるいは2mm未満の隔壁の存在で診断されます。
二絨毛膜二羊膜性双胎は独立した2つの胎嚢、あるいは胎児心拍の存在、2mm以上の厚い隔壁の存在で診断されます。
※二絨毛膜二羊膜性双胎は早期に分離するため胚盤胞や胎盤が双方の胎児ごとに独立して存在しており、一絨毛膜一羊膜性双胎に比べ隔壁が厚くなります。

公開日時:2016-11-06 10:39:43

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