骨盤位(逆子)や横位などの「胎位異常」の種類と原因および治療法

カテゴリ:妊娠の基礎知識
タグ:胎児異常

胎位異常とは?

胎位異常は母体の縦軸と胎児の縦軸との関係によって縦位横位斜位が定義されています。

縦位

縦位には頭位骨盤位があります。

頭位

胎児の頭が下にあり、両軸が一致する正常な胎位です。
正常な胎位の内、95%がこの頭位です。
頭位以外の胎位は胎位異常となります。

骨盤位

いわゆる逆子です。
胎児の先進部が後頭部ではなく、骨盤部となる状態です。
ちなみに、妊娠中期までは30~50%までが骨盤位であり、妊娠中期の骨盤位は珍しいことではありません。
しかし通常は、分娩時までには胎児が自己回転し、頭が下になります。
分娩時までに胎位が直らない場合は、一般的に帝王切開になりますが、経腟分娩を実施する場合は、いくつかの必須事項を満たしている必要があり、また胎児が障害されるリスクも高くなります。
先進部の位置により、次の殿位膝位足位に分けられます。
  • 殿位
    先進部が殿部である状態です。
    骨盤位の中では殿位の確率が最も高くなります。
  • 膝位
    先進部が膝にある状態です。
  • 足位
    先進部が足である状態です。

横位

胎児の縦軸と子宮の縦軸が交差する状態です。
つまり、子宮に対して胎児が縦ではなく横になっている状態を言います。
横位のまま分娩を実施すると、児頭が子宮壁に密着した状態となり、それ以上進まずに分娩が止まってしまうため(分娩停止)、通常は帝王切開になります。
また、胎児の背中(児背)が上を向いている状態を背上横位、胎児の背中が下を向いている状態を背下横位と呼びます。

斜位

子宮に対して胎児が斜めになっている状態を言います。

原因は?

前置胎盤、子宮筋腫、子宮奇形、狭骨盤が存在する場合に起こりやすいと言われています。

初期症状は?

通常、初期症状はありません。

出産や胎児へのリスクは?

骨盤位は周産期死亡率が高く、分娩開始前の破水も起こりやすいため、特に注意が必要です。
骨盤位の経腟分娩において良好な状態で分娩できる状態は極めて稀です。
このため、米国産婦人科医会(ACOG)は 「正期産骨盤位分娩は経腟分娩を試みることなく選択的帝王切開をすべき」という勧告を出しています。

発生する確率は?

胎位異常は妊娠32週を過ぎると95%、妊娠36週を過ぎると98%の例で、児頭が下になり、正常な胎位に戻ります。
但し、分娩日が近づくに連れて、胎位は戻りにくくなります。
分娩時に骨盤位であるものは全分娩の3~5%です。

予防方法は?

現在のところ、予防方法はありません。

検査方法は?

通常は超音波検査で見つかります。

治療方法は?

膝胸位・側臥位法を用いて胎児を自己回転させ治す事を試みます。
なお、妊娠35~36週になっても直らない場合、外回転術を実施する場合がありますが、この方法は常位胎盤早期剥離や胎児機能不全のリスクがあります。

骨盤位については一般的に帝王切開を実施しますが、次の条件をすべて満たす場合、経腟分娩を選択することもできます。
※しかしその場合でも帝王切開に比べてリスクは高くなります。

  • 殿位(単殿位・側殿位)であり、足位ではない。臍帯下垂がない。
  • 胎児がwell-beingである。
  • 妊娠34週以降、推定体重2000g以上3000g未満である。
  • 児頭骨盤不均衡がない。
  • 児頭が屈位で頸部過伸展がない。
  • 分娩の進行が円滑で回旋異常がない。
  • 産婦および家族が経腟分娩に同意している。
  • 緊急帝王切開のためのダブルセットアップを行っている。

膝胸位・側臥位法

簡単な体操や体位を取り、頭位の位置を直す方法です。
具体的には就寝前に以下を実施します。
  1. 妊婦がひざまずいた状態で頭、胸、肩を床につける
  2. 膝を直角にして、その体位を15分ほど維持する
  3. その後、胎児の背中側を上にして、側臥位で休む

公開日時:2016-08-07 10:59:00

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