「分娩立会い」の賛否は男女や人によってまちまち?
分娩立ち会いの意味
分娩の立ち会いはイギリスやアメリカなどから輸入されたものです。
特にアメリカでは「お産はパートナーと一緒に」という考えが強い国で、殆どの夫が立ち会います。
日本でも夫の立ち会いが当たり前になってきています。
苦しい時にこそパートナーと一緒に乗り越えよう、というという考えが立ち会いの根底にはあります。
但しアメリカの場合は基本的に無痛分娩なので、妊婦さんの心理的には単純に日本の場合と比較できないという側面もあります。
またお産立ち会いというのは人によっては、特に女性にとっては非常に繊細な問題を持つ場合があります。
そのため以下に記述する内容は必ずしもすべての夫婦に当てはまるとは限らない事をご留意ください。
緊張緩和
妊婦さん、特に初産の場合は、何もかもが初めてで、無事に産む事が出来るかどうか不安でいっぱいです。
むしろ痛みに対する不安よりも無事に生まれて欲しいという気持ちの方が強いのではないでしょうか。
個人的な経験では、陣痛の間隔が短くなり出産が近づいて来ると不安と早く産みたいという気持ちからか、落ち着きがなくなってきます。
しかし焦っても早く、無事に産まれるわけではないので、まずは緊張を解す話などをして気持ちを落ち着かせてあげましょう。
なお、分娩室に移動後はしばらくの間奥さんとは会えなくなりますが、ここは経験豊富な助産師さんがうまくやってくれる事を信じましょう。
と言っても妊婦さんにとっては、むしろ助産師さんが頼り的な所がありますので、分娩室に入って分娩台に寝かせられ、準備万端になり、助産師さんや看護師さんといろいろ話をしたり、アドバイスを受けたりする事である程度落ち着く事もあるようです。
結局出産については、産婦にしか分からない事もあるのです。
分娩時は余計な事をせずに見守る
人工破水をして、分娩が始まる直前に夫が分娩室に呼ばれます。
でもすぐに分娩が始まるため、大した会話はできません。
この頃になると激しい痛みと不安でかなりパニクっている可能性はありますが、奥さんの様子を見ながら適度にコミュニケーションをとります。
もし、それどころでは無いようなら、素直に見守りましょう。
なお血を見て気分が悪くなったり、倒れるような方は、病院の余計な仕事が増えるだけなので、立会いはやめた方がいいでしょう。
ちなみに娩出時は出血しているだけではなく、会陰切開もしているため、局部は見ないように看護師さんに言われるかもしれません。
あるいは見えるような場所は通らせないようにしている病院もあるでしょう。
従って歩きまわったりできるわけではなく、またウロウロするべきでもなく、分娩の邪魔にならないように常に妻の側(顔付近)でお産を見守る事になります。
ねぎらいの言葉
赤ちゃんが生まれた後は頑張った妻にねぎらいの言葉をかけてあげましょう。
無事に出産ができた事の安堵感と、カンガルーケアで赤ちゃんの顔を見れば一気に緊張感はほぐれるでしょう。
写真やビデオ撮影について
人によっては一生に一度になるかもしれない記念すべき出産を写真やビデオに収めたいと思う人は多いかもしれません。
但しこれは、他の妊婦さんがいたりする場合もあり、多くの場合マナー違反になります。
もし撮影したい場合は事前に病院や奥さんに確認し、了承を取っておく方が無難です。
※実際には奥さんがお産の痛みに耐え、叫んだり呻いている中、それをのんきに撮影するというのは、かなりひんしゅくものです。
しかし実際には分娩時は修羅場に近く、恐らくそういう雰囲気ではありません。
それもそのはず、出産時の母子の死亡確率は昔に比べてかなり減ってきてはいますが、命がけの作業であるという事には変わりありません。
例えば子宮の収縮が遅く大量出血したら命が危険にさらされます。
そういった命がけの戦いをのんきにビデオに撮られるというのは心情的に耐えられないという産婦もいます。
お産の立ち会い自体の是非
上述したように妊婦にとってはお産は必ずしも綺麗なものではなく、当然出血はしますし、排泄もします。
また出産時には苦痛のあまり悲鳴を上げたり、絶叫したりもします。
そんなところを、夫に見せたくないという方も多いようです。
そのため、お産の立ち会いについては、事前に奥さんによく確認した上で、きちんと了承を取る必要があります。
もちろん、お産の立ち会いに関係なく、約束したことは必ず守らなければいけません。
万が一立ち会いについて奥さんと何も話をしていないなら、看護師さんに呼ばれても行かない方がいいかもしれません。
アメリカなど、海外でよくお産に立ち会っている夫のシーンの映像があったりしますが、繰り返しますが、向こうは無痛分娩が基本であり、日本の自然分娩のように絶叫する程の苦痛は原則としてないのです。
公開日時:2015年05月19日 00時03分
おすすめの書籍!
胎児の成長や母体の変化については1日ごとの胎児の成長が詳解されている定番書「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」がお勧めです。この本はアメリカで大ベストセラーとなった「The Pregnancy Journal」の日本版になります。
なお、赤ちゃんの成長状況はどうしても不安になってしまいますが、お母さんにできることは必要な栄養素をしっかりと摂り、赤ちゃんの成長を助けることです。こちらの記事ではその栄養素を摂取する理由とおすすめのサプリメントを紹介していますので、是非ご参照ください。