陣痛が来ない場合の対処方法

カテゴリ:出産の基礎知識
タグ:陣痛促進

陣痛を促進する運動

陣痛を促進するための運動としては、以下が挙げられます。

  • 早足の散歩
  • 階段を上り下り
  • お風呂
  • 雑巾がけ

もしそれでも陣痛が来ない場合は...医療的処置が必要です。

陣痛促進剤

陣痛促進剤は一般的には妊娠40週0日である出産予定日をある程度過ぎても陣痛が発来しない場合、過期産を予防するために使用します。
陣痛促進剤にはプロスタグランディン系と、オキシトシン系があります。

プロスタグランディンには子宮口を柔らかくする作用があり、オキシトシンは、規則的な陣痛を誘発させる作用があります。

そのため子宮口があまり開いていないときにはプロスタグランディンを、開いてきたらオキシトシンを使います。
陣痛が異常に強くなってしまう可能性があるため、その2つを同時に使用することはありません。

稀に子宮破裂や胎児仮死など陣痛促進剤の使用による悲惨な事故もあります。

参考書籍:
「陣痛促進剤あなたはどうする」

参考リンク:
「陣痛促進剤による被害を考える会」

陣痛が弱い場合は...

吸引分娩

吸引分娩は金属製もしくはシリコン製の丸い大きなカップを赤ちゃんの頭に当て、カップ内の空気を抜き、吸引によって赤ちゃんを引き出す方法です。
鉗子分娩より操作が容易な事と安全性も高い事から、最近では鉗子分娩より吸引分娩の方が多く用いられています。
しかし吸着力には限界があるので索引効果は鉗子分娩より劣る事もあります。

鉗子分娩

鉗子(かんし)は、金属製のへらを2枚、はさみのように組み合わせたもので、これで胎児の頭を両側からはさんで引きだす方法です。
胎児への影響として、頭皮が傷ついたり、はがれる、胎児の頭に血腫(頭血腫)ができる、眼損傷、顔面神経麻痺、頭蓋骨骨折、黄疸、嘔吐などが発生する可能性があります。
鉗子で胎児の頭を挟むため、頭皮の損傷や脳への障害が心配されますが、鉗子による脳障害よりも分娩中の低酸素状態に起因するところが大きいといわれています。

帝王切開

帝王切開そのもので死亡する妊婦はほとんどいませんが、それでも母体死亡率は経腟分娩の4倍から10倍とされています。
また、術後の長期間安静により肺塞栓症の危険が高まります。
肺塞栓症とは塞栓子が静脈血流にのって肺動脈(静脈血を酸素化のために肺に送る大血管)あるいはその分枝を閉塞し肺循環障害を来した状態です。

そのため、帝王切開では術後の早期離床、早期歩行(術後24時間以内)が原則です。

また、胎盤を取り除いた後の傷口が子宮の収縮が遅く「弛緩出血」状態となり、弛緩出血に対する診断と対応が遅れれば出血過多(異常出血)で死に至る場合も少なくありません。

公開日時:2009-08-06 20:26:39

おすすめの書籍!
胎児の成長や母体の変化については1日ごとの胎児の成長が詳解されている定番書「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」がお勧めです。この本はアメリカで大ベストセラーとなった「The Pregnancy Journal」の日本版になります。

なお、赤ちゃんの成長状況はどうしても不安になってしまいますが、お母さんにできることは必要な栄養素をしっかりと摂り、赤ちゃんの成長を助けることです。こちらの記事ではその栄養素を摂取する理由とおすすめのサプリメントを紹介していますので、是非ご参照ください。

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