胎児もインフルエンザの抗体を持つ?
「IgG抗体」は胎盤を通過できる唯一の抗体ですが、生後6ヶ月くらいでなくなってしまいます。
しかし、ある実験では胎児が、母親が受けたインフルエンザ・ワクチンへの特異的免疫反応を得られることが分かってきました。
胎児は多くの種類の免疫細胞を持ちますが、これまでは抗原に特有の抗体が臍帯血から見つからなかったため、それらの細胞がアレルギーを引き起こしている抗原を目標とするにはあまりに未熟であると思われてきました。
その代わり、母親の免疫システムが働いている間に、胎児が病原菌への攻撃に準備できると仮定していました。
しかし、妊娠中に風邪ワクチンを受けた126人の妊婦に対して、彼女たちが出産した際に各々の新生児の臍帯血をサンプリングし、細胞レベルで免疫反応を見るために臍帯血を調べたところ、サンプルの40%が胎児が風邪の抗原に特有のTとB免疫細胞と抗体を含む事がわかりました。
また、そのいくつかは「IgM抗体」でした。
「IgM抗体」は母親から胎児への胎盤を通過するにはあまりにも大きいため、それは疑う余地なく胎児によって生産されたことを意味するとの事です。
その胎児は無防備の状態からはほど遠く、胎児の免疫系は完全に風邪の感染に対応することが出来ると報告されています。
但し、この実験において母親のワクチン接種が妊娠後期に行われたことに注意が必要としています。
妊娠後期では、胎児の免疫システムには、より複合体になるための十分な時間があったかもしれないためです。
参考文献:
Scienceのニュース記事「Flu-Fighting Fetuses」
公開日時:2009年08月30日 11時21分
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