「子ども手当」の所得制限と扶養控除、配偶者控除廃止の是非
しかし、国民新党の亀井さんなど、連立与党内には所得制限をすべきと主張している議員も多数いるようだ。
また、扶養控除、配偶者控除を廃止する動きもある。
確かに、マニフェストではすべての子供に対して子ども手当を給付すると謳っているが、予算にも限りがあるし、国債をこれ以上増やすことも問題だ。
そこで所得制限を行う場合に問題となるのは、どのくらいの年収以下で給付を制限するかである。
年収300~400万円の世帯が大半であり、個人的には少なくとも年収500万円以下に対しては、制限を設けるべきではないと思う。
ただし、どの程度の年収なら裕福か貧乏かを判断するのも明確な指標はないし、家庭それぞれの事情もあるだろう。
収入が多くても、支出も多い場合もあるし、収入が安定していない家庭もいる。
もし所得制限を設けるにしても、どの程度の年収をしきい値にするかは、重要であり、慎重に決断すべき事項であると思う。
そもそも子ども手当の当初の趣旨は「すべての子どもに支給する」事であるはずなのだ。
この原則を揺るがすのは民主党政権に取って致命的になるかもしれない。
また、扶養控除廃止についてもかなり重要だ。
これが実施されると子ども手当の恩恵が完全には受けられない。
たとえば現在の児童手当は3歳までは1人1万円が支給されるが、子ども手当ては2万6千円になり差額は1万6千円。
そこから扶養控除で控除されている分を引いた金額が実質的に支給される額となる。
扶養控除は1人あたり38万円なので、1年間で扶養控除により控除されている額は38万円x所得税率となり、年収が330万円を超え 695万円以下の場合所得税率が20%なので、年間7万6千円が控除されている計算になる。
月に換算すると約6300円となり、決して少なくはない。
仮に扶養控除の廃止が実施されるとすると、子ども手当が施行されたとしても、子供1人当たり今より9700円しか増えない。
もちろん月1万円近く増えるのならまだ良しとする人もいるだろうが、子供を持つ一般の家庭では6300円は大きい。
ただし、配偶者控除も廃止される場合、月あたりさらに6300円の控除がなくなり、子ども手当が支給されても、今より増える額は3400円にしかならない。
民主党の子ども手当がインチキと言われないためにも、所得制限はともかく、扶養控除、配偶者控除の廃止は避けるべきだろう。
そもそもその財源は無駄遣いから捻出すると言っていたのだから。
扶養控除、配偶者控除は無駄遣いではないはずだ。
また、中学生以下の子供がいない家庭、子ども手当の所得制限に該当する家庭では大増税になる事も言っておかなければならない。
公開日時:2009年12月13日 10時50分
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