「異所性妊娠」(子宮外妊娠)の原因と初期症状および治療法

カテゴリ:妊娠の基礎知識
タグ:着床異常

異所性妊娠とは?

異所性妊娠は受精卵が子宮腔以外の場所に着床して生育した状態です。
具体的には、着床した部位が卵管であれば卵管妊娠、卵巣であれば卵巣妊娠、腹膜であれば腹膜妊娠、子宮頸管であれば頸管妊娠になります。
また、卵管は卵巣と子宮を結ぶ管ですが、卵巣から子宮方向へ、卵管采、卵管膨大部、卵管峡部、卵管間質部と部位が分けられ、それぞれ着床部位により、卵管采妊娠卵管膨大部妊娠卵管峡部妊娠卵管間質部妊娠と呼びます。
なお、異所性妊娠は以前は子宮外妊娠と呼ばれていましたが、子宮頸管の妊娠も該当するため、異所性妊娠に呼称が変更されています。

原因は?

原因として、骨盤腹膜炎や子宮内膜症に起因する卵管周囲癒着が挙げられます。
また、体外受精、胚移植、子宮内避妊具などが原因になる場合があります。
リスク因子として最も高いのは卵管形成術で21%を占めます。
次に多いのが、卵管不妊手術、異所性妊娠の既往がある場合となり、それぞれ9.3%、8.3%です。
つまり、卵管形成術は他の因子に比べて2倍以上の発生確率がある事になります。

初期症状は?

初期症状はなく無症状ですが、妊卵の発育に伴い流産や卵管破裂が生じ、下腹痛や性器出血が起こります。
卵管破裂の場合は、大量出血による出血性ショックが引き起こされる危険性があります。

発生する確率は?

全妊娠数の0.5~1.0%です。
なお、その内、卵管妊娠が98%を占めます。
そのため、異所性妊娠はほぼ卵管妊娠と言ってもいいでしょう。

検査方法は?

妊娠検査薬による検査に使用される、尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の値を測定して妊娠周期を推定し、もし妊娠5週を過ぎていても超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できない場合、異所性妊娠が疑われるため、更に詳細な検査が行われます。
ダグラス窩と呼ばれる子宮と直腸の間に存在する腹膜腔に超音波の反応が無い部分があれば腹膜内出血を生じている可能性があります。
もし、子宮外に病変がない場合、妊娠成分の有無の確認のために、子宮内容除去術や腹腔鏡検査が行われる場合があります。

治療方法は?

治療方法は大きく分けて2つあり、妊卵の着床した臓器を摘出する根治手術と、機能温存を図る保存的治療があります。
近年は検査精度の進歩により早期に発見され、流産や破裂の前に見つかる場合が増えてきており、保存的治療が行われる場合が増加しています。

根治手術とは?

卵管破裂や癒着など、卵管の損傷が激しい場合、もしくは妊孕(にんよう)能温存の希望がない場合に、開腹手術により卵管を取り除く事です。

保存的治療とは?

卵管妊娠に於いて膨大部に着床(卵管膨大部妊娠)している場合は、開腹手術による卵管の部分切除卵管内容圧出術、あるいは卵管切開内容除去(腹部に5~12mmの穴を数ヶ所あけ、腹腔鏡カメラで患部を観察しながら卵管から胎嚢を取り出す手術)が行われます。
なお、膨大部ではなく卵管峡部や間質部に着床している場合は、外科治療による卵管閉塞が起こる可能性があるためメトトレキサート(MTX)などの薬物療法が行われます。
MTXは症状に応じて全身投与にするか局所投与にするかを判断します。

※MTXは抗癌剤ですが、妊娠組織を消失させる事ができる薬です。
※MTXは日本ではまだ一般的ではなく、骨髄抑制や間質性肺炎、肝機能障害などの副作用が起きるリスクもあります。

公開日時:2016-03-27 17:59:01

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