「肩甲難産」は不慣れな医師の不適切な赤ちゃんの回転で起きる?

カテゴリ:出産の基礎知識
タグ:難産

肩甲難産とは?

肩甲難産は、赤ちゃんの頭部は出てきたが、肩が引っかかり、それ以上、自然に送り出すことができない事により引き起こされる、出産時の緊急事態です。
肩甲難産は以下に概説するようないくつかの理由により引き起こされる場合があります。

罠にかかった肩

分娩中に胎児の肩が、母親の骨盤の後ろの罠にかかる事があります。
肩が行き詰まり、適切に赤ちゃんを放出することができないと共に、これは肩甲難産を引き起こす場合があります。
実際に、これは分娩中の肩甲難産の主要原因のうちの1つです。
さらに赤ちゃんが産道へ下降するのを助けるための、過度の腹圧(母親の腹部の下方圧力)を加えると、その肩は更に骨盤の後ろの罠に掛けられ、肩甲難産に結びつくと信じられています。

赤ちゃんの分娩中の肩の不適切な回転

肩甲難産を生じる上腕神経叢損傷(じょうわんしんけいそうそんしょう)が最近ほとんどの医療過誤事件の基になっており、医者と産科医は、まず第1に、肩甲難産が生じるのを防ぐために最善を尽くしています。
その結果、赤ちゃんの頭部の手動での回転の実行は、分娩中にますます実施されるようになっています。
赤ちゃんの頭を回転させることによって、その肩は産道の前後径で整列することができます。それは肩の安産のための適切な位置となります。
しかしながら、何人かの医者は肩を不適切に回転させ、それにより肩甲難産を引き起こすかもしれません。

不必要な側面牽引の適用

時々、赤ちゃんの頭が産道を通った後、赤ちゃんの肩の排出に小さな遅れが生じるかもしれません。
これは自然な遅れである場合もあり、必ずしも難産を示しません。
しかしながら、無経験の医師(またある程度経験を積んだ医師でさえ)はその違いを認識できずにパニックになることがあります。
そして、その肩を解放するために、過度の側面牽引が赤ちゃんの首に適用されるかもしれません。
しかし、これに反して、側面牽引は、肩のどちらかに赤ちゃんの頭部を押す役目をしますが、それが行き詰まる事によって、肩甲難産を引き起こす事もあります。

分娩中に赤ちゃんの肩が内部へ折り重ねられる場合

時々、赤ちゃんの肩は、分娩中に内部へ折り重ねられる事があります。
これが起こる場合、肩を放出することはより困難になり、難産が生じる場合があります。

硬膜外麻酔処理

硬膜外麻酔は陣痛の間に母親を支援するために処方される局所麻酔です。
それは、陣痛の苦痛を軽減します。しかし、痛みのない正常な経腟出産として、子宮の収縮は進みます。
硬膜外麻酔の結果、母親は力むべきほとんどの感覚を失います。
これが起こる場合、力むことは当然行われません。それは胎児を産道へ不適切に下降させる場合があります。
それにより押し込まれた肩に帰着し、肩甲難産を引き起こす事があります。

分娩中の鉗子の不適切な使用

鉗子は分娩過程を支援するために使用される医療機器です。
鉗子は1組のはさみのように、赤ちゃんを産道から支援するために、典型的には赤ちゃんを頭のまわりでつかみます。
鉗子が難産に非常に有効になりうるのは真実ですが、不適切に使用された場合、さらに赤ちゃんに重症を与える場合があります。
それが円滑に進んでいない場合、医師が混乱し、陣痛、および特に分娩過程で、赤ちゃんを鉗子で強く掴み過ぎる事で負傷させることはありえます。
鉗子の正しくない取り扱いは、さらに間違った方向に赤ちゃんの頭を回転させ、それにより肩を密着させ、肩甲難産を引き起こすことがあります。

吸引器の正しくない使用

吸引器は赤ちゃんの下降を支援するために使用される医療機器です。
吸引器の柔らかいプラスチック製のカップが赤ちゃんの頭頂部に添付され、次に医師は真空圧力を緩やかに加えます。それにより、望ましい適当な分娩位置に胎児を動かします。
しかしながら、吸引器は医師によって多くの圧力をかける事も可能です。それは、腕神経叢麻痺(わんしんけいそうまひ)に結びつく神経損傷を引き起こす場合があります。
また場合によっては、産道内部の赤ちゃんを過度に吸引するか、不適切に実施することで密着させ、結果的に肩甲難産を引き起こすかもしれません。

以上のとおり、多くの要因により分娩中に肩甲難産が引き起こされます。

公開日時:2011-11-26 16:57:48

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